スタート10キロメートル付近に掛かる河口の大橋

 アジアを中心にフルマラソンを走っている。

 東アジアの台北(4時間46分)、ソウル(5時間10分)はマラソン3年目の初心者としては、“そこそこ”の結果。一方の東南アジアは毎度、暑さに勝てずに沈没(記録上は完走)。どの大会も未明のスタートとはいえ、気温は30℃。北海道出身の私には耐久レースに近い。

 今回はダナン国際マラソン。猛暑の日本を離れ、さらに南に位置するベトナムへ向かった(この間の反省が全く生かされていないですね……)。

今回はツアー会社にお世話になりました

 ダナンはベトナム中部のリゾート都市。戦争時に米国軍が飛行場や港や通信施設を建設し、軍事拠点を構えたことで最大の戦場となった地域だ。筆者が小学生だったころ(50年前)、学校の先生に連れられて、町の公民館でベトナム戦争のドキュメンタリー映画を観させられた。大勢の市民が犠牲になっていく姿は今でも脳裏に焼き付いている。

 ベトナム戦争を描いた『フルメタル・ジャケット』(1987年)を観た方も多いと思う。ダナンの隣にあるフエが舞台。たった一人のベトナム狙撃兵に次々と殺られる米軍兵士、反撃に転じ、狙撃兵に銃弾を浴びせるも、よく見ると、まだ10代半ばの少女が虫の息で倒れていたという悲惨な結末。これも心に強く刻まれた。

 私たちの世代(50代)以上は、ベトナム戦争の記憶なしにダナンの街を歩くことができないと思う。

 今回のダナン国際マラソンはツアー会社のお世話になった。日頃はネットから直接、アジアの大会にエントリーしているが、中規模の都市まで拾い切れていない。また、ツアー会社が集めた人たちに取材してもOKとのことで参加することにした。

この会社、社長自らが参加者を引率し、出走

ヴィクトリーツアー株式会社 越田諭社長(マラソン前々日のダナンの夜)

 このツアー会社(ヴィクトリーツアー)は非常にユニークで、社長自らが参加者を引率し、出走し、体感し、それを次の顧客に伝授するといった、リアル情報を武器に、年間10本の海外マラソンツアーを実施している。冬のシーズンになると、毎週、世界のどこかで越田諭社長が顧客を引率してフルマラソンをしている状況。大手ツアー会社が手を付けないマイナーな大会も、きめ細かくフォローしている。

 大会前日、ダナンに集結したツアー参加者は社長を含めて計4人。1人は長距離トライアスロンを完走する鉄人Kさん、あとは2時間50分台でフルマラソンを走るサブ3(3時間以下のランナー)のI先生(と呼ばせていただく)、そして自己ベスト3時間17分の越田社長、彼ら3人とは遠く離れた鈍足ランナーの私、といった面々。

 参加者3人では採算的に厳しいはず。越田社長に聞いてみた。