昨年の流行語にもなった“睡眠負債”。読者の皆さんは思い当たりませんか。今回は睡眠を充実させる食事のコツを取り上げます。読者の皆さんも日頃の睡眠を振り返り、睡眠負債返済の契機にしてもらえたらと思います。

1日の平均睡眠時間 6時間未満の割合が増加

 少し前ですが、厚生労働省の「平成27年国民健康・栄養調査」で20歳以上の日本人の1日の平均睡眠時間を調べた結果、6時間未満と短い人が39.5%に上ることが発表されました。女性に多い理由を見ると、20歳代では「就寝前に携帯電話、メール、ゲームに熱中すること」が33.3%、30歳代では「育児」が32.7%、40歳代では「家事」が27.9%がトップでした。睡眠は健康のための大切な休養であり、不足は体調不良や病気、仕事や生活の支障となります。

睡眠不足が引き起こす不規則な食事、朝食欠食

 次に食事への影響も考えます。まず、「時間」と「内容」の2つから考えてみましょう。

①食事の時間

「規則正しい食事のタイミングが体内時計(体の生体リズムを調節)に影響を及ぼすこと」が知られています。例えば「食事の時間が不規則」「夜遅くにまとめて食い」では、良い睡眠が得られず体内時計もずれ始めます。

 さらに睡眠時間が減ると比例するように見られることが、朝食欠食です。「1分でも寝たいから、朝食抜き」「起きてすぐは食欲がない」など、食事のリズムも不安定になりやすくなります。

②食事の内容

 次に、夜の食事が遅いということは、疲れを感じたり、仕事を終えたからしっかり栄養を取ろう、と考える人も少なくないでしょう。しかしながら、しっかり栄養を取ろうとカロリーが高いメニュー(揚げ物や肉類中心)を選ぶと、睡眠の質に影響します。寝る前は副交感神経が優位になるため、胃腸も活発に働きません。そんなときにボリューム系やこってり系のメニューを選べば、胃腸は寝ている間もフルに活動しており、結果的に内臓全体が疲弊します。朝起きて胃腸が重いのは、そのためです。

寝る前の体にもやさしいメニュー

 仕事で帰宅が遅くなる場合、夕方の休憩時にある程度しっかり食事を取る手もありです。または夕方におにぎりやサンドイッチなどを食べて、帰宅後はスープやおかずだけにするという分食スタイルもいいでしょう。

 食べるタイミングがない人、帰宅後ゆっくり食べたい人は、胃腸の負担にならない加熱したお総菜やメニューを利用しましょう。油が少ないこと、野菜は加熱するなどがポイントです。例えば、うどんや野菜の煮物やスープ、ホワイトシチュー、ロールキャベツ、茶碗蒸しなどは油が少なく、野菜もやわらかく煮込まれているのでお薦めです。夜遅くに食事をすると体重増加につながり、寝付きが悪いなど睡眠の質にも影響します。思い当たる人は参考にしてください。

 

 

※本記事は『ファッション販売』2018年9月号に掲載されたものです。内容は取材当時のものです。

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