2016年12月期に大幅な赤字に陥り、直近の店舗売上高が12カ月連続して減少し、今期も赤字が予想される大塚家具。現預金は15年末に109億円あったが、18年3月末には10億円にまで減少し、手持ち資金も底を突こうとしている。

 そうした中で、経営再建を図るため、新たな支援先を探していることが表面化。候補の一つとしてささやかれていた家電量販店大手のビックカメラは支援の見送りを表明。昨年11月に資本・業務提携し、第3位の株主になった貸会議室大手ティーケーピー(TKP)も有力な候補に挙げられているが、大塚家具は朝日新聞の「買い手候補は事実上、貸し会議室大手のティーケーピーに1社に絞られた」との報道に対して、「当社が発表したものではなく、そのような事実はございません」というコメントを発表し、引き続き、提携先を探す考えを示している。

売上高は2003年から一進一退もダウン傾向

 迷走状態ともいえる事態に陥っている大塚家具だが、そもそもの発端は経営をめぐる父親と娘のお家騒動。創業者の大塚勝久会長が、2009年3月、後継者に指名し社長に就任した久美子氏を14年7月に解任し社長を兼務、対立が表面化した。社内や兄弟は会長支持派と社長支持派に分かれ、長男以外が久美子氏につき、15年1月には久美子氏が社長に復帰、3月に開催された株主総会で経営権を巡り争われたが勝久氏が敗れ、会長を辞任した。

 一連の騒動は新聞、雑誌などマスコミにも大きく取り上げられ、同社のブランドイメージが毀損、顧客離れを招いた。勝久氏は、新たな家具専門店「匠大塚」を立ち上げ、久美子氏と袂を分かった。

 ピークだった2003年から多少のアップダウンはあるものの、大塚家具の売上高は下降傾向をたどり、16年は2割強、17年も1割強減り、ピーク時から4割以上も減少している。

 ダウントレンドにあった状況に、経営陣の内紛劇がより大きなダメージを与えた格好で、その後は業績が悪化の一途をたどっているという流れだ。

ニトリやイケア台頭の影響は考えにくい

 こうした事態に、久美子社長も手をこまねいていたわけではない。15年7月には従来の来店客に同行して接客する会員制の販売方法を改め、お客が自由に売場を回れるようにした。これには同社の顧客は上質の家具を求める比較的所得の高い層であるため、敷居を低くすることで気軽に来店できるようし、より幅広い層を取り込む狙いがあった。

 だが、大塚家具のコンサルティング販売の要といえるシステムを廃止したことが裏目と出て、従来の中高年を中心とした顧客層が戸惑い離反。その一方で新規顧客の獲得も十分には進まなかったといえるだろう(低価格チェーンのニトリやイケアの台頭による影響を指摘する声も聞かれるが、もともと顧客はすみ分けられており、その影響は極めて小さいと考えている)。

店舗小型化は同質競争に陥るリスクがある

 品揃えを充実させるための巨艦店主義も改め、店舗面積を削減した新たな標準店舗(売場面積3000~7000平米)となる「「IDC OTSUKA 南船橋店」(売場面積約4600平米)を16年9月に千葉県船橋市にオープンし、売場の効率化も図ろうとした。こうした方針に基づき、TKPに既存店の一部に貸し会議室スペースを設ける取り組みも展開している。

 しかし、大型店には商品の実物が多く見られ、顧客に選択肢が広がるという中小型店にはないメリットもあり、店舗の小型化により、中小型店との同質競争に陥るリスクも高まってしまったといえるだろう。

 また、アウトレットやリユースにも取り組み、10月には「IDC OTSUKA アウトレット&リユース大阪南港」を開設して新たな需要を取り込み、11月にはヤマトヤシキ(本社:兵庫県姫路市)など地方百貨店とも連携して販路拡大を図り、法人需要への体制拡充にも取り組み、既存店の活性化にも取り組んだ。