ターゲット別に原稿をつくると応募者を集めやすい

 ーー募集の件数はどうでしょうか。増えている業種、減っている業種を教えてください。

 笠松 各ジャンルの掲載数について、17年1月~7月の7か月平均で昨対伸長率を出しています。サイト全体では昨年対比144%で、フード・飲食も144%、小売132%。最も伸びたのが工場や軽作業で170%を越えました。飲食系では、カフェ、レストラン、居酒屋など伸びています。小売では、アパレル・雑貨販売、携帯販売、コンビニなどが多くなっています。逆に、CDレンタル、書店、惣菜販売などは減っていますね。

 ーーでは、応募状況はいかがでしょうか。

 笠松 同じ期間で、全体で昨年対比125%と伸びています。フード・飲食が113%、小売が118%でした。小売の中でも、家電販売は求人が140%と伸びていますが応募は減っています。全体でみると採用環境は厳しい状況ですが、個別にみると選ばれている求人とそうでない求人の差が広がっている傾向もあります。

 

 ーー小売、飲食ともに求人・応募とも伸びているわけですね。けれども、やはり求人の伸びのほうが多いように思います。求人側にとって、人を集めやすい条件とは、どのようなものでしょうか。

 

 笠松 実際問題として原稿の質に大きな課題があります。条件が適切に設定されていない為、求職者の検索結果にヒットしないという問題と、ヒットしても募集ターゲットに選ばれない(魅力が伝えれていない)という2つの問題があります。例えば求人ターゲットがパートでも高校生でもいい時、主婦と学生では、学生は土日だけとか、主婦は10時以降の2~3時間とか、気になるところが違うのです。
 募集幅は広いのになぜか学生向けの特徴しかないとか、若い人の写真を載せ、ほかのゾーンの人たちに敬遠されてしまうという問題が頻発しています。求職者のニーズが多様化していること、より選択条件が厳しくなっている事を理解し、求人原稿の質を向上させる必要があります。

 ーーそれでは、小売りチェーン、外食チェーンにとって成功する採用のポイントは何だとお考えですか。

 笠松 まず、採用に関して社内での立ち位置を明確にすることです。採用費の効率化なのか、母集団を増やす事なのか、マッチした人員を集め長く働いてもらうのか、すぐれた人員で顧客に提供する付加価値をあげるのかなど。採用における目的と課題を明確にすることです。
 これは自社のビジネスを分析する際のプロセスとなんら本質は変わりません。そうすればターゲットが決まり、ターゲットのニーズを調査し、ニーズに応えられる募集条件や人事制度を検討できます。先に求人の質という話しがありましたが、それを考える前段階の情報を整理する事です。その後の採用戦略は我々の様な募集メディアに相談頂くのも一つの手段だと思います。

 ーーコンビニや外食チェーンでは人が集まらず、加盟店個々の募集では難しく本部が一括して採用するようになっています。大切な部分に、向き合えなくなっているのです。でも、人手はゼロにはならない。それならば、人にしかできないこと、たとえば接客や、お客さまのための売場づくりなどの部分の採用に向いてほしいと考えるのですが、どうですか。

 

  笠松 実際はあくまで、業務、作業をしてくれる人手を募集している企業が多数という印象です。そのような目的意識が明確であれば、必然的に募集原稿の質や条件が改善(最適化)され、非正規雇用者への人事制度なども変化していくと思います。
 もちろんそれらの企業は求職者から選ばれ、募集メディア内での勝ち組になれるでしょう。