最近、特に多いのが人時生産性に関する店長研修のご相談です。各社からはコンプライアンス、人事評価制度、財務諸表、コミュニケーション、カイゼン、マーケディング……、こういったテーマで研修ができないでしょうかという話をいただくのですが、「効果のない研修はやめた方がいいですよ」とハッキリ申し上げています。

 店長としての実務教育といったことなのかもしれませんが、それを活用し、今後どうやって人時生産性を上げて、利益を増やしていくのかという「収益にまつわる話」は、不思議なことにどこもやらないのが実情です。

個人に依存したやり方では利益は上がらない

 新人店長研修を受け、後は現場で時間をかけ、各自のやり方でやるというのが大半です。市場環境が大きく変化しているこの時期、チェーン企業でありながら、旧態依然とした個人に依存したやり方を続け、それで利益が上がる方が不思議といえます。

 かつて、企業も社会も拡大していくことが前提のとき、時間をかけて社員を育てる、年功序列は力を発揮し続けました。若いときは低い賃金で我慢してもらい、年を重ねるごとに、高めていくということが理にかなっていました。企業は「時間」という自然増に効果をもたらす要素を使うことで、投資効果を手に入れてきたわけです。

人口減で、これまでの前提条件が崩れ去った

 しかし、これから人口は毎年0.4%、50万人ずつ縮小することから、この前提条件が崩れ去っています。

 人と数と売上げには、密接な関係があることは、経営者でなくとも分かります。何もしなければ売上げは、自動的に減少基調が続き、そして販売管理面では働き手が不足し、単価は上昇します。これまでのように若年層やパートタイマーを安い賃金で長時間使い続ける運営はできないということです。

 今後、売上げは減り、コストが上昇する中で、利益を上げていくことが求められるわけですが、これを相変わらず、「チラシ強化で客数アップする」とか、「いい売場を作れば利益は後からついてくる」とか、「目立つ演出をすれば売れる」といったことを妄信した店舗運営を続けても、減収減益は回避できません。