主にコンピュター技術書籍の翻訳や出版をしているオライリー・ジャパン(米国オライリーメディア出資)が、毎年開催するMaker Faire Tokyoへ行ってみた。日本の学生からベンチャー、一流企業までが新しい物作りを発表するイベントで一般入場も可能ということもあって家族で出掛けても楽しめそうだ。ちなみに2011年まではMake Tokyo Meetingという名称だったそうだが、2012年から本国と方式を合わせるのに伴って名称も変更となった経緯がある。

若い学生たちの出展者が目立った!

 今年のMaker Faire Tokyoは8月4、5日に東京ビッグサイトの西ホールで行われた。エレクトロニクス(電子工作)、ロボット、クラフト、ペーパークラフト、電子楽器、サイエンス工作、リサイクル、アップサイクルなど、あらゆるジャンルの自作が展示。新しい発想とテクノロジーで、皆があっと驚くようなアイデアや、これまでになかった便利な商品、ユニークな物を作り出す「Maker」が集っていた。多くのブースでは、実際に作品に触れたり、物作りの体験できたりするイベント。出展者も多岐に渡っていて学生から大手企業まで規模の垣根を超えた自由で夢のある世界が広がっている。

 特に今回は、若い学生たちの出展者も目立ち、カドカワが運営するN高等学校や「U-17未踏プロジェクト」(独創的なアイデアを持つ小中高生クリエイターに対し、各界で活躍する専門家による指導、また最大50万円の開発資金の援助を行う、一般社団法人未踏が主催するプロジェクト)、東京大学などの学生出展には粗削りさを感じつつも将来性について大いに期待したいと思った。

スタートアップ企業が育まれるようになってほしい

 日本ではなかなかスタートアップ企業は育ちにくいという指摘もある。実際、2016年のベンチャー投資額は、米国の7.5兆円に対して、欧州が5353億円、日本は1529億円(米国の約2%)にとどまる(ベンチャー白書2017年より)。

 主にスタートアップ企業には大きく2つの道が用意されていて、1つはIPO(株式上場)を経て市場から資金を獲得してさらに成長していく道。もう1つはM&Aによって経営権を売却して、大企業の傘下に入る道。

 ただ、M&Aに関しては給与体系や人事制度が古いままで受け皿となる下地が日本では脆弱。自社の新規事業のネタ探しが中心で、人材やノウハウを囲い込もうとする傾向が強く、スタートアップ企業は育ちにくいという指摘もある。

 また、長らく続いた終身雇用制度の名残もあってリスクを嫌い、失敗を恐れる日本人も多い。こうした社会環境の影響もあってスタートアップ企業が諸外国と比較しても少ないのかもしれない。

 こうしたイベントを通してもっと支援投資家や、企業が関われるようになり、スタートアップ企業が次々と育まれるようになってほしいと願うばかりだ。

会場へ向かう途中の京急蒲田駅の看板。漫画「北斗の拳」35周年と京急120周年を記念したコラボレーション。何だか行く前から元気をもらいました。
今回のMaker Faire Tokyoの案内看板です。物作りがイメージできる素敵なイラストが印象的でした。
隣のホールでは「スクフェス感謝祭」。スクールアイドルフェスティバルの略称で、スマートフォン向け人気アイドル系ゲームアプリ。こちらもやや違うタイプの若者たちを中心にたくさん集まっていた。
会場案内板。グレード別にスポンサー企業名が並んだ。熱中症と水分補給を促すイラスト&コメントはいかにも今年らしさを物語っている。
アニメ「名探偵コナン」の作品中に登場する「キック力増強シューズ」のレプリカモデル。備え付けのモーターファンで脚力増強を狙った。
コナンに扮した女性が増強された脚力を実演。仔細な検証データはいまだ存在しないものの想定1.2倍の威力は期待できるという、東京大学本郷テックガレージの学生作品。
未来型オセロゲームのCUBO。自陣の色の陣地取りを行うゲームで色とりどりに遊べるのが特徴。凹凸部分を押しながら進めていく未来感が魅力的だ。
アート的な使い方もできて、写真は富士と日の出を表現した。
SONYのSPRESENSE。低消費電力型のGPS受信機能とハイレゾリューション・オーディオコーデック搭載のIoT向けボードコンピューター。
「大人の科学」では付録の開発者の求人募集もしていました。
動画にならない面白さで謎の技術と人力3Dとは、何とも好奇心がそそられます。
進撃の巨人!!って、演じていました。
おいしいモヒート(カクテル)がセミセルフで作れちゃいます。
会場ではアルコール飲料は提供できないので、もちろんノーアルコール仕様でいただきました。
コーヒー飲料での「フラッシュパスチャライズシステム(FPS)」殺菌飲み比べ。確かにFPS殺菌コーヒーの方にコクがあっておいしく飲めましたに1票!!
映画「スターウォーズ」に登場するジェダイ(守護者)養成マシンを再現。シンプルな作りでしたが、やってみたかった。
第二次世界大戦中のナチス・ドイツの中戦車の実物大Ⅳ号戦車。実走タイプで迫力満点!
生態系エンジニアリングの世界で、1本の瓶から水草水槽や観賞用のエビの飼育等を進めるプロジェクト。夢が広がってよいですね、癒されます。
映画「ハリーポッター」シリーズに登場するスポーツ「クィディッチ」等で登場する魔法のホウキを開発。自律型ドローンと組み合わせた「クィディッチ」が楽しめるシステムを目指す。
自走型のホウキを開発、インラインスケートを履いて確かに走ります、というか動きます。愛知県のMONO Creator’s Lab(ものクリ)の作品。
M.モンローの白いスカートが地下鉄の通過の風で浮き上がるシーンは、あまりにも有名。腕に装着させたコントローラを用いて風量を調整できるシューズ。新しいダンスパフォーマンスが期待できる。
トートバッグにもなるタンクトップというアイデア商品。他にも凄い機能があります!
胸部分の特殊加工によって文字が音楽に合わせて発光するタイプも開発、音楽、クラブイベント等でも使える!!
タンクトップがこんな感じでトートバッグにもなるスグレモノ。
会場内ではオフィシャルグッズも販売していました。
LINEアプリで撮るだけユーチューバーは、音声コメント動画をLINEで送るだけで字幕入り動画として返信されてきて誰でもユーチューバー気分を味わえるアプリ。早速、このアプリはストライプインターナショナルのコエハウスの小学生向け夏休みワークショップとして採用が決まっている。