親子げんかの果てに委任状争奪戦で娘が創業者の父親を追い出した、あの大塚家具が経営に行き詰り、身売り先を探しているという。株価も400円を割り込み、2015年3月の高値に比べれば一時は7分の1まで落ち込んだ。この結末は叩き上げ創業会長だった父親がエリートかぐや姫より正しかったということか、どちらであっても行き詰まったと見るべきか。果たして買い手は見つかるのだろうか。

「久美子流改革」は無策だった

 行き詰まるに至った業績の推移を振り返れば、13年12月期までは低収益(営業利益率1.5%)ながら売上高は前期から微増で営業は破綻していなかったが、親子げんかが表面化した14年12月期は社内の混乱もあって前期比98.7%と売上げが減少に転じ、わずかとはいえ営業赤字に転落。創業会長の大塚勝久氏を追い出した15年12月期はなりふり構わぬ営業強化で前期比104.5%と売上高を回復させ、売上対比0.8%とわずかながら黒字に戻したのもつかの間、翌16年12月期以降はつるべ落としに売上高が落ち込んで大幅赤字に転落。17年12月期は411億円、18年1〜6月中間期は前年同期比12%減、18年12月期予想も376億円と売上げが底割れし、営業利益率も−12.5%、−13.6%と損失が拡大して資金繰りに窮するに至った。

 

 スキャンダルで顧客が離れたという面はあったにしても、売上高を回復させることも出血を止めることもできなかったのだから、久美子流は無為無策だったと指摘されてもやむを得まい。実際、打った手といえば、会員制(来店して登録するだけ)からオープン制に変えたこと、高級路線から中級路線に変えてセールを乱発したことぐらいで、フロンティアマネジメント(著名コンサルティングファーム)で辣腕を振るった経営のプロとは思えない。

 中級路線といっても中低価格ラインを広げただけで高級品も残し、誰を狙っているのか曖昧になってイケアやニトリとの競争に巻き込まれただけで、調達背景から再構築してオフプライス戦略(※1を採るわけでも、ニトリのように生産背景から組み上げてSPA戦略を採るわけでもない、戦略的展望を欠く場当たりとしかいえないものだった。

(※1)世界中のブランド家具の流通在庫を集めて現品をディスカウント販売する倉庫型ストアで、ショールーミングストアの対極にあるビジネスモデル。