「ドン・キホーテ」中目黒本店。

 ドンキホーテホールディングス(HD)は今期(2019年6月期)、売上高1兆円を達成する見通しだ。同社は20年6月期に売上高1兆円、店舗数500店、ROE(自己資本利益率)15%を達成するという中期経営目標「ビジョン2020」を掲げているが、売上高は1年前倒しで達成することになる。

将来は売上高2兆円、営業利益1000億円も

 日本の小売業で売上高1兆円を超えているのはイオン、セブン&アイ・HD、ファーストリテイリング、ヤマダ電機、ユニー・ファミリーマートHD、三越伊勢丹HDの6社だけ。計画通り進めば売上高ランキングでは髙島屋を抜き、日本で7社目の1兆円小売業になる。

 さらに大原孝治社長は13日、「その次のビジョンでは売上高2兆円は十二分に達成可能だ。またベンダー調達型総合品揃え小売業ではどこも達成していない営業利益1000億円を自分の任期中に達成したい」と新たな大目標を打ち上げた。

 同社の18年6月期連結決算は2桁の増収増益となり絶好調。1年間で業績予想を3回上方修正した。売上高は9415億円、期末店舗数は418店、ROEは13.3%だった。今期は売上高1兆円(前期比6.2%増)、営業利益530億円(同2.8%増)と30期連続の増収営業増益を見込んでいる。

新店は純増20店以上、タイにも進出

 今期は前期に成功した売上高と客数の獲得を重視した戦略を継続。売上総利益は「率」よりも「額」を増やす方針で、生活必需品の低価格訴求によって各商圏内でライバル店の顧客を奪取し、リピーター化を進める。

 インバウンド(訪日外国人客)消費も積極的に取り込む。免税売上高は「ドン・キホーテ」で前期568億円となり、全体の8.7%を占めた。20年に10%を達成する目標だが、今年4~6月は月間ベースで10%を達成した。

 新規出店は純増で20店以上を計画。居抜き出店を中心に、都心駅前立地の小型店やGMS(総合スーパー)への居抜き出店など多様なフォーマット展開を推進する。

ユニーのGMS店舗を転換した「MEGAドン・キホーテUNY」。

 昨年11月に40%を出資したユニーのGMS店舗の「アピタ」「ピアゴ」のうち前期は6店を「MEGAドン・キホーテUNY」に転換したが、今下期と来上期の19年暦年で20店を「MEGAドン・キホーテUNY」として出店する。

 海外店も前期に開いた東南アジア初進出のシンガーポールの2店に続き、今期中にバンコクにタイ進出1号店を開く。「今後は世界にも軸足を置く。既存のハワイ、カリフォルニアとともにアジアにも出店、環太平洋戦略を進める」(大原社長)。

 デジタル戦略も推進する。非合理でアナログの極致とも言える「ドン・キホーテ」のわい雑な売場の魅力を生かしつつ、時代の要請に応えてスマートフォン対応を強化するなどアナログとデジタルの両立を目指す。「アナログとデジタルのスーパーハイブリッド(超複合)業態を年内をめどに関東圏にオープンする」(大原社長)計画だ。デジタル投資は今期約30億円を見込んでいる。

西友の買収に「興味がある」と大原社長

 なお世界最大の小売業、アメリカのウォルマートが傘下の国内スーパーである西友を売却することを検討していると報道されたが、大原社長は「本当に売却するのか。売却するなら興味があるし、魅力的だ。西友は今では手に入らない立地を多数持っている。本当に売るのなら細かく精査したい」と述べ、西友の買収に前向きな考えを示した。

 また同社は13日、東京・渋谷道玄坂の旧ドン・キホーテ渋谷店跡地とその裏手の広大な土地に高さ約120mの高層ビルを建設すると発表した。同社が事業主となり、地上28階~地下1階建て、22年4月の完成を目指す。延べ床面積は4万950m2。低層階が商業施設、中層階がオフィス、高層階がホテルになる予定だという。