「お盆休みなので、一週、このコラムをお休みにしますか?」と編集長に聞かれました。まだ書いていなかったので、それもいいかなと思いましたが、お盆に関係なく働いていた昔の自分を思い出したので、そのことを書くことにしました。

 流通・小売業やサービス業は、「盆商戦」を盛り上げる側です。期間中に出勤しても割増賃金など特になく、もちろん代休もなく、人混み対応に疲れるばかりという方は正直多いと思います。

 私もあまりお盆だからといって休みを取る側ではなかったのですが、今思えば土日や盆正月などの休日出勤は、ちょっと特別でした。

普段と同じ働きでも特別な光景に出会える

 人のまばらなオフィスに出社した際は、普段なら頻繁に仕事を中断される電話がほとんど鳴らず、話し掛けてくる人もいないので、集中して自分の仕事を進めることができました。

 店頭に立っていたときは、少し混んでいる程度でも普段の平日よりは忙しく、気付くとあっという間に1日が終わっていました。

 当時は休日出勤にネガティブな感情を抱いていましたが、今思えば多くの人が休んでいるときは、ただ普段と同じ働きをしているだけでもチャンスだったように思います。その特別な光景を、休んでいた人は知らないからです。

 働いていた当時は私も何だか損している気分でした。でも他人が休んでいるときが稼ぎ時で休めない仕事や業界は意外とたくさんあります。そしてそんな人々が働いているから、目の前にいる多くの人たちは、楽しんで休日を過ごし、消費が回っていきます。一番人出が激しい中で、経済が動く様子を「買う」側ではなく「売る」側として体験できるのです。

 そして、実は働く側にもちょっぴりご褒美があります。もし忙しかったなら、休み明けでスタッフがそろう際に、実績として堂々と戦況を報告するべきです。逆に予想よりも人出が少なく暇になったら、普段ならできないけれどやっておいた方が良い仕事を進めるべきです。