目指すは10年後「3000店舗、売上高1兆円」

 こうしてしまむらの軌跡をたどると、効率的な物流と店舗運営が多店舗化を可能にし、仕入先とは「返品」「赤黒伝票」「追加値引」「未引取り」を4つの悪とし、完全買い取りで強固な信頼関係を築き上げた。そのために、商品が店舗に入荷してから売場から無くなるまで全店舗の売場の在庫管理をする「コントローラー」も大きな役絵を果たしている。

 10年後に、3000店舗、売上高1兆円を目指し、今後も出店を進めるしまむら。17年度は、ファッションセンターしまむら40店、アベイル12店舗、バースデイ23店舗、シャンブル3店舗、ディバロ5店舗で国内合計83店舗を出店したが、出店余地は年々狭められてきている。

 成長を担保するには、アベイルなどその他の業態にかかっているが、もはや急成長は難しい。今回は、(ファッションセンターしまむらの)ホームファッション売場をスピンアウトさせた新業態で新たなマーケットを開拓し成長を目指しているが、今後も新たな業態開発も予想され、出店スピード上がらないアジアでの事業もカギを握っている。

17年度は減収減益も効率的なインフラは今なお健在!

 トレンドをすばやく巧みに取り入れ、売り切りで売場の鮮度を保ちながら低価格で提供し需要を取り込んできた、しまむら。かつては人気モデル 益若つばさによって大ブレイクし、10代、20代の女性がしまむらの服を好んで着る「シマラー」という流行現象も生まれたが、近年はこうした目立った動きもなく、商品の絞り込みで品揃えのバラエティさに欠き、魅力が低下した。

 17年度は9期ぶりの減収減益となったが、物流、店舗オペレーション、商品管理、効率的なインフラは今なお健在だ。再び活力を取り戻すため、品揃えを拡充、地域対応もきめ細かく行い、来期は過去最高となる増収増益を目指す。

 次代に向けた戦略を描けるか。島村秀次郎は、かつて「経営者は新しいことに挑戦する覚悟ができるかどうか、それに尽きる」と述べている。今年2月には、野中正人社長が会長に就任、北島常好専務が昇格し13年ぶりに社長が交代した。新しい経営陣のもと、次の一手が注目される。